
お仕事やDIYで、刃物やガラス片から大切な手を守ってくれる耐切創手袋。
でも、いざ新しく買おうとすると、いろいろな「レベル」があって、どれを選べばいいか迷ってしまいませんか?
数字やアルファベットが並んでいて、その違いが少し分かりにくいですよね。
もしかしたら、「昔と表記が変わっていて戸惑っている」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、そんな分かりにくい「耐切創手袋のレベルの違い」について、優しく丁寧に解説していきます。
最新の規格の読み方や、作業ごとの選び方の目安もお伝えしますね。
最後まで読んでいただければ、今の作業環境にぴったりの手袋を、自信を持って選べるようになりますよ。
あなたの大切な手を守るために、一緒に見ていきましょう。
今の耐切創性能は「最後のアルファベット」が重要です

結論からお伝えすると、耐切創手袋のレベルの違いは、「刃物をどれくらいの力で押し当てたら切れてしまうか」という安全性の高さの違いなんですね。
手袋のパッケージを見ると「4543D」のような、数字とアルファベットが混ざった表示を見たことはありませんか?
実はこの最後のアルファベット(A〜F)が、今の基準での耐切創レベルを表していると言われています。
現在の国際規格(EN388)では、AからFまでの6段階で評価されていて、アルファベットが進むほど(Fに近づくほど)切れにくく、安全性が高いとされています。
以前は「レベル5」という数字の表示が最高だと言われていましたが、今は「レベルF」が最高クラスの保護性能だと考えられているんですね。
まずは「アルファベットのA〜Fでレベルの違いを見分ける」ということを覚えておいてくださいね。
なぜ数字とアルファベットが混ざっているの?

でも、「どうして昔の数字だけの表示から、アルファベットが混ざるようになったの?」と気になりますよね。
その理由は、手袋の性能をはかる「テストの方法」が新しくなったからなんです。
ここからは、その少し複雑な背景を、できるだけ分かりやすく紐解いていきますね。
規格が新しくなった背景
代表的な国際規格である「EN388(欧州規格)」は、手袋の丈夫さを総合的に評価する基準として、世界中で使われていると言われています。
この規格が2016年に改訂されたことで、表示方法が大きく変わったんですね。
それまでは「クープテスト」という一つのテストだけで耐切創性を評価し、レベル1〜5の数字で表していました。
でも、技術の進歩で手袋の素材がどんどん丈夫になり、従来のテスト方法だけでは、正確にレベルの違いを測るのが難しくなってしまったとされています。
そこで、より厳しい「TDMテスト」という新しいテストが追加され、数字(1〜5)とアルファベット(A〜F)の二本立て表示が主流になったと言われています。
2つのテスト方法の違い
「クープテスト」と「TDMテスト」って、一体何が違うのか気になりますよね。
少し専門的になりますが、簡単にその違いを見てみましょう。
クープテスト(数字の1〜5)
クープテストは、丸い回転刃を一定の力で往復させて、生地が切れるまでの回数を測るテストだとされています。
基準となる布と比べて、どれくらい切れにくいかを計算し、レベル1から5までの数字で表示します。
数字が大きいほど切れにくいという意味なんですね。
ただし、最近のすごく丈夫な素材だと、切れる前にテスト用の刃の方が先に鈍ってしまうことがあると言われています。
そうなると正しく測定できないので、このテストの結果を「X」と表示して、次のTDMテストだけで評価することもあるんですね。
TDMテスト(アルファベットのA〜F)
一方のTDMテストは、カッターのような真っ直ぐな刃(直線刃)を使って、生地に切り込むために必要な力を測るテストだとされています。
必要な力を「ニュートン(N)」という単位で測り、その数値によってAからFに分類されます。
- レベルA:2N以上
- レベルB:5N以上
- レベルC:10N以上
- レベルD:15N以上
- レベルE:22N以上
- レベルF:30N以上(最も高い耐切創性)
このように、より実用的な直線刃を使って細かく測ることで、今の時代に合った正確なレベルの違いが分かるようになったんですね。
アメリカの規格でも同じように直線刃で測る方法が使われていて、考え方はとても似ていると言われています。
旧「レベル5」=今の「最高レベル」ではない理由
ここが一番お伝えしたいポイントなのですが、「昔買ったレベル5の手袋と同じものを買えば安心」と思っていませんか?
実は、ここには少し落とし穴があるんです。
旧規格の「レベル5」は、あくまで回転刃を使ったクープテストだけの最高評価でした。
でも、新しい直線刃を使ったTDMテストで測り直してみると、以前「レベル5」だった手袋が、新規格では「レベルBやC」に相当するケースもあると注意喚起されています。
つまり、昔の「数字の5」と今の「アルファベットのF」は、全くの別物なんですね。
「それなら昔の手袋は危ないの?」と心配になるかもしれませんが、そういうわけではありません。
単に「測り方の基準が厳しくなった」ということなんですね。
だからこそ、これから手袋を選ぶときは、旧表示の数字にとらわれず、新しいアルファベット表示(A〜F)をしっかり確認することが大切になってきます。
作業に合わせて選ぶ!レベル別の具体的な目安3選
「レベルの違いは分かったけれど、じゃあ自分の作業にはどのレベルを選べばいいの?」と迷ってしまいますよね。
耐切創手袋は、ただレベルが高ければいいというわけではないんです。
ここからは、メーカーが推奨している一般的な目安をもとに、作業ごとの選び方の具体例を3つご紹介しますね。
1. 段ボールの開梱や軽作業(レベルA〜B)
倉庫での仕分けや、段ボールの開梱、簡単な軽作業をされる方には、レベルAからBの手袋がおすすめとされています。
「えっ、一番低いレベルで大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、カッターの刃先が少し触れる程度の軽い切り傷を防ぐには、十分な役割を果たしてくれることが多いんですね。
このレベルの手袋は、生地が薄くて柔らかいものが多いので、指先が動かしやすく、長時間着けていても疲れにくいというメリットがあります。
細かい作業をするなら、このレベルが一番使いやすいかもしれませんね。
2. 組立や一般的な工場作業(レベルC〜D)
工場での部品の組み立てや、一部の金属加工、日常的にハンドツールを使うような作業には、レベルCからDの手袋がよく選ばれていると言われています。
比較的鋭いエッジ(角)に触れる可能性がある環境ですね。
このレベルになると、素材に少し強度が増してくるため、安心感も高まります。
最近は、編み目を細かくしたり、手にフィットするコーティングを施したりして、安全性と作業のしやすさを両立させた製品がたくさん出ているんですよ。
迷ったら、まずはこの中間のレベルから試してみるのも良いかもしれませんね。
3. 厚板金属やガラスの取り扱い(レベルE〜F)
重たい金属板やガラス板の運搬、廃車の解体作業など、非常に鋭利な刃物や危険なエッジに触れるリスクが高い現場では、レベルEからFの最高クラスの手袋が必要とされています。
絶対に手を怪我してはいけない、厳しい環境におられる方々向けですね。
ただ、レベルが高くなると、生地に金属繊維やガラス繊維が編み込まれることが多く、手袋全体が厚く、硬くなる傾向があると言われています。
そのため、「指が曲げにくい」「細かい作業がしづらい」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも最近は、HPPE(高性能ポリエチレン)やアラミド繊維といった高機能な素材を使って、高いレベルでも驚くほど柔らかい手袋も開発されているんですよ。
作業のしやすさも諦めたくないですよね。そんな時は、少し高価かもしれませんが、最新の素材を使ったモデルを探してみると良いかもしれません。
安全性と使い心地のバランスを見つけましょう
ここまで、耐切創手袋のレベルの違いについて一緒に見てきましたが、いかがでしたか?
数字とアルファベットが混ざっている理由や、新しい規格の「A〜F」の見方が、少しでもクリアになっていたら嬉しいです。
昔の「レベル5」が今の最高レベルとは限らないということも、とても大切なポイントでしたよね。
手袋を選ぶ上で一番大切にしていただきたいのは、「高レベルが万能というわけではない」ということです。
レベルが高くなればなるほど切れにくくなりますが、その分、生地が分厚くなったり硬くなったりして、フィット感が落ちてしまうこともあります。
「安全性を重視しすぎて、手先が動かず作業効率が落ちてしまった…」なんてことになったら、本末転倒ですよね。
だからこそ、耐切創レベルの違いを知った上で、手袋の厚みやコーティングの種類、そして実際の「使い心地」も合わせて総合的に選んでいくことが大切だとされています。
あなたの毎日の作業環境を思い浮かべてみてください。
「細かい作業が多いから、柔らかいレベルCがいいかな」
「重くて鋭いものを扱うから、少し硬くてもレベルFが必要だな」
そんな風に、ご自身の作業の危険度と、必要な操作性のバランスを考えてみてくださいね。
まずは、今お使いの手袋のレベルをチェックしてみることから始めてみませんか?
きっと、あなたの大切な手をしっかり守りながら、快適に作業ができる「ぴったりの相棒」が見つかるはずです。
今日も一日、安全第一で頑張ってくださいね!