ひこねのよいにゃんことひこにゃんの違いって何?

ひこねのよいにゃんことひこにゃんの違いって何?

お土産屋さんなどで「ひこにゃん」のグッズだと思って手に取ったら、タグに「ひこねのよいにゃんこ」と書いてあって驚いたことはありませんか?
見た目はほとんど同じなのに、名前が違うなんて「これってどういうことなんだろう?」と気になりますよね。
もしかしたら、ニセモノなのかな?と心配になった方もいるかもしれませんね。
実はこの2つ、見た目はそっくりですが、権利や誕生の背景が異なるまったく別のキャラクターなんですね。
この記事では、なぜそっくりなキャラクターが2つ存在するのか、ひこねのよいにゃんこ、ひこにゃん、違いや過去に起きた騒動の背景について、やさしくひも解いていきます。
読み終える頃には「なるほど、そういう事情があったんだ!」とスッキリして、キャラクターたちの見方も少し変わるはずですよ。
それでは、私たちと一緒にゆっくり見ていきましょう。

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権利者と立場が最大のポイント!公式と非公式の事実

権利者と立場が最大のポイント!公式と非公式の事実

「ひこねのよいにゃんこ」と「ひこにゃん」の最大の違いは、ずばり誰が権利を持っているかという「法的な立場」にあります。
同じような白い猫に赤い兜をかぶった姿をしているので、同じキャラクターだと思ってしまいますよね。
でも、実は管理している人や公式としての立場がまったく違うんです。

まず「ひこにゃん」ですが、こちらは皆さんもよくご存知の通り、滋賀県彦根市の公式キャラクターです。
著作財産権や商標権は彦根市がしっかりと保有していて、市が公式に管理・運用している公的な存在なんですね。
名前も公募で決まったもので、まさに市民やファンと一緒に育ってきたご当地キャラクターの代表格と言えます。

一方、「ひこねのよいにゃんこ」は、ひこにゃんの原案を作ったキャラクター作家のもへろん(吉永哲麿)さん側が、独自ブランドとして展開したキャラクターです。
こちらは彦根市の公式キャラクターではなく、著作権は原作者さん側にあるとされています。
つまり、「ひこねのよいにゃんこ」は、市が関与していない非公式のキャラクターとして、絵本や一部のグッズなどに登場していたものなんですね。
この「公式か非公式か」「誰が権利を持っているか」という点が、ひこねのよいにゃんことひこにゃんの違いを理解する上で、一番大切なポイントになります。

なぜ似たキャラクターが生まれたの?背景にある複雑な事情

なぜ似たキャラクターが生まれたの?背景にある複雑な事情

でも、どうしてそんなにそっくりなキャラクターが別々に存在することになったのでしょうか。
それには、キャラクターが誕生した当時の少し複雑な事情が関係しているんですよ。
順番にわかりやすく解説していきますね。

彦根城の節目に誕生した公的キャラクター

もともと「ひこにゃん」は、彦根城築城400年祭を盛り上げるためのイメージキャラクターとして誕生しました。
その際、デザインの原案を担当したのが、キャラクター作家のもへろんさんだったんですね。
井伊直政の赤い兜と、可愛らしい白猫を組み合わせたデザインはまたたく間に大人気となり、全国的なゆるキャラブームの火付け役となりました。
この時、キャラクターの権利(著作財産権や商標権)は彦根市が持つことになり、市の大切なシンボルとして広まっていったんです。

原作者さんが独自に展開した絵本の世界

ひこにゃんが人気を集める中で、原案者であるもへろんさんは、ご自身の創作活動として絵本の制作を始めました。
その絵本に登場させたのが、「ひこにゃん」によく似た白猫と兜のキャラクターだったんです。
そして、このキャラクターを「ひこねのよいにゃんこ」という独自のブランドとして展開していきました。
クリエイターさんとしては、自分が生み出した愛着のあるキャラクターをもっと自由に動かして、絵本の世界で活躍させたいという想いがあったのかもしれませんね。

全国ニュースにもなった法的トラブルの経緯

しかし、ここから少し悲しいすれ違いが起きてしまいます。
彦根市側は「ひこねのよいにゃんこ」のグッズが販売されることに対して、「市の努力と知名度にただ乗りしている」「ファンの皆さんが混同してしまう」と心配しました。
そこで、商標権侵害や著作権侵害を理由に、グッズ販売の差し止めなどを求める裁判を起こすことになったんですね。
これが、2010年から2011年頃にかけて大きく報道された、通称「ひこにゃん事件」と呼ばれる騒動です。
「原案者が自分の描いたキャラに似た別のキャラを作ることは許されるのか?」
「市の持つ商標権と、クリエイターの権利はどう折り合いをつけるべきか?」
こういった難しい問題がぶつかり合い、社会的な関心を集めることになりました。

具体的にどこが違う?読者が気になる3つのポイント

法的な立場や背景の違いはわかりましたが、「見た目や展開の仕方はどう違うの?」という部分も気になりますよね。
ここでは、私たちが実際に目にする際の違いや、過去の裁判でどう決着がついたのかについて、具体的な例を交えながら3つのポイントでご紹介します。

許可されているポーズとバリエーションの差

実は、「ひこにゃん」として公式に認められているポーズには厳しいルールがあるんです。
市と作者さんとの調停や和解の結果、彦根市が「ひこにゃん」として使用できるのは、「お座り」「跳ねる」「刀を抜く」の3ポーズのみと決められました。
そのため、彦根市が作る公式グッズやポスターは、必ずこの3つのポーズのどれかが使われているんですね。

それに対して「ひこねのよいにゃんこ」は、作者さんが自由に描けるため、さまざまなバリエーションが存在しました。
表情が少し違ったり、衣装を変えたり、絵本ならではの生き生きとした動きを見せたりと、とてもクリエイティブで豊かな表現がされていたとされています。
耳の形や兜の角のバランスなど、じっくり見比べると微妙な違いがあって、ファンの方にとっても興味深いポイントだったのかもしれませんね。

お土産屋さんで起きた消費者の混乱と裁判所の判断

当時、一番問題になったのが、観光客やファンの方たちの「混同」です。
「あ、ひこにゃんの新しいグッズだ!」と思って買ってみたら、タグには「ひこねのよいにゃんこ」と書かれていて戸惑う方がたくさんいたそうなんですね。
こうした状況を受け、2011年3月31日に大阪高裁は、「ひこねのよいにゃんこ」は「ひこにゃん」に酷似しており、グッズ販売は市の権利を侵害するという判断を下しました。
その後、大阪地裁の勧告によって両者は和解し、「ひこねのよいにゃんこ」のグッズ製造・販売の禁止と、業者側からの解決金(計370万円)の支払いが合意されたとされています。

ただ、すべてが禁止されたわけではありませんでした。
なんと、絵本の制作や販売については引き続き認めるという判断が示されたんです。
グッズの販売は市の権利を守るためにストップしつつも、クリエイターさんの絵本という表現の場は残される形で、一定の共存が図られたんですね。
こうした結末には、少しほっとするような温かさも感じますよね。

今も語り継がれるビジネス上の大切な教訓

現在では、このキャラクター問題に大きな新展開はありません。
しかし、この「ひこにゃん事件」は、今でも法律やビジネス分野のコラム、デザイン講座などで頻繁に引用されているんですよ。
「自治体とクリエイターが契約を結ぶときは、どこまでルールを明確にするべきか」
「ご当地キャラクターをビジネスとして展開する難しさ」
こういったことを考える上で、とても重要な教訓事例として語り継がれているんです。
かわいいキャラクターの裏側には、大人たちの真剣な権利の守り合いがあったという事実は、少し驚きですよね。

似て非なる2つのキャラクターが教えてくれること

ここまで、「ひこねのよいにゃんこ」と「ひこにゃん」の違いについて見てきました。
見た目はそっくりでも、ひこにゃんは「彦根市が管理する公式キャラクターで3ポーズのみ」、ひこねのよいにゃんこは「原作者さんが展開した非公式ブランドで絵本を中心に自由に動く」という、全く異なる立場と背景を持っていることがわかりましたね。
過去には裁判になるほどのトラブルもありましたが、それはどちらも「自分たちが大切に育てたい」という強い愛情があったからこそ起きたことなのかもしれません。
複雑な事情を乗り越えて、今のひこにゃんが多くの人に愛され続けているのは、本当に素敵なことだと思いませんか?

これからは違った視点でキャラクターを楽しんでみませんか?

もし今後、彦根に遊びに行ったり、お土産屋さんでグッズを見かけたりしたときは、ぜひ今回の話を思い出してみてくださいね。
「あ、このひこにゃんは『お座り』のポーズだね!」なんて、少し違った視点で楽しめるはずですよ。
また、もしどこかで「ひこねのよいにゃんこ」の絵本に出会うことがあれば、クリエイターさんの想いが詰まったもう一つの物語として、優しくページをめくってみてはいかがでしょうか。
キャラクターたちの背景にあるストーリーを知ることで、きっともっと彼らのことが愛おしくなると思いますよ。
これからも、かわいいキャラクターたちを私たちみんなで温かく応援していきたいですね。